ミーシャ・ジーは羽生結弦のような点がとれるスケーターには決してなれないだろうけど(別になる必要もないけど)、羽生結弦が仮に望んだとしてもまず習得できそうにないセンスを持っているのだなあと思いました(別に望む必要もないのだけど)。フィギュアスケートという手段を通じて表現する音楽性ね。

ピアノ協奏曲第2番を自分でああいう風に抜き出して、自分でああいう風に振り付けして、自分でああいう風に滑るわけじゃないですか。髙橋大輔も全部自分ではやらないですよね。羽生結弦も自分でできるのはせいぜい曲の編集ぐらいだろうし(せいぜい、なんていうと評価していないみたいだけど、SEIMEIの音楽の編集はなかなかだと思ってます。私の好みからするとさほどおもしろさは感じないけど、一つの曲のようにちゃんとまとめてるというのはすごい)。

ともかく、ミーシャはいま現役の振付師の中でも音楽的な趣味の良さはずば抜けているのではないかと思います。

フジテレビがやっていた放送に登場した選手の演技しか見ていませんが、ミーシャの演技が一番印象に残りました。今季のミーシャは、もちろん彼なりに少しでも点数をかせぐ計算はしているのだろうけど、ジャッジや観客に対して「アピールしようと思ってアピールしている」ような媚びがない。今のフィギュアスケートの場合「アピールすることを意識している、ということを見ている側に意識させる」ことがアピールだとみなされているきらいがあるし、ちょっとそんな風潮に嫌気がさしていたところだったので、私は心が洗われた感じがしました(ちなみにデニス・テンも同じような意味で媚びがないように見えました。彼の音の表現の仕方はさすがでしたね)。やろうと思っていることをやって結果的にアピールできている、というのが本来のありかただと思うので。

といっても、現実にはプロトコルでは下記の通りになるわけですよ。自分で振り付けをやっている人の音楽の解釈のほうが評価は低いわけです。その辺、私にはどういう視点で採点されてるのかさっぱりわかりません。見てる限り、この選手の場合要素にミスがなければだいたいこれぐらいの点数、というのをあらかじめ事前のジャッジミーティングでジャッジの間で意思統一しておいて、プラマイ幅もだいたい決めておいて、試合ごとの選手のできと印象を基にその幅の中でPCSで上下させるっていうやり方をしているのでしょう。だから、もうPCSなんてもっともらしく5項目に分ける必要なんてないんじゃね?と思います。

wc2016_Men_SP_Scores_1.pdfwc2016_Men_SP_Scores_2.pdf

それとですね、ステップレベル3でGOE満額で、だからスケーティングスキルに10点満点を5人のジャッジが出してるってやっぱり意味わかりません。だったら点数とりたけりゃステップレベル落として楽して、見た目きれいにGOE確実に満額とったほうがお得じゃね?という話になるでしょう? だってPCSはGOEに連動するっていう二重取り採点方法が定着してるわけですし。でも現に、ステップにレベル4という上の水準がすでにある以上、レベル3しかとっていない人の「スケーティングスキル」に「満点」出すジャッジがいるなんて、理屈からしてやっぱりつじつまが合っていないと思います。

うん、満点はおかしいよ。たとえば9.75だったらまだ「理屈として」理解できるけどw (自分の美意識に照らし合わせることはこの際やめておきます)

0.25違ったらどう順位として差が出てくるのかといわれれば出てこないけど、なにこのどんぶり勘定w

そんなことするからあのジャッジングシステムは信用できないって話になるんだと思うわ。

ああ、書く前は「褒めるべきことしか書かないぞ、でないといろんなことで腹が立ってくるから」と思ってたのに、スケートそのものの話だけでこんな調子です。

ここまできたらやけくそで書きますけど、私やっぱりね

「たぶん故意だと思う」とマスコミに言っちゃったのは、とんでもない失言だと思います。

これまで練習中の衝突とかオブストラクションっていうんですか(ん?サッカー用語?)そういう事件は彼に限らずありましたけど、仮に選手や関係者が心の中であれは故意だと思ったとしても、ふつう「そういうことは起こるものです」ぐらいに言っておくもんなんですよ。そもそも故意であるかそうでないか以前に、危険か危険じゃないかが問題なわけです。故意じゃなくたって、衝突しそうになった、衝突したという事実が問題なのだから。

だから抗議する場合も、故意でやったから抗議するのではなくて、一般論としての危険性の観点から冷静に抗議する。つまり故意であるかどうかなんて、そんなことをあえて口に出して話をややこしくするようなことは賢い人ならばわざわざ言いません(なので、日本のスケ連もさすがに「あれ故意だったでしょ?」という形では抗議していないはずだと信じたい)。

まあ、なんというんでしょうかね、自分が暴言を吐いたとしてもどこまでだったらマスコミが好意的に記事を書いてくれるのか、この人もしかして試してるの?と思わざるを得ない。

さて、ミーシャは選手やめたとしても、フィギュアスケートのプロとしてスケーターになったとしても、振り付け師になったとしても、コーチになったとしても食べていけそうな気がします。

でも、羽生結弦はプロスケーターやコーチとしてやっていけそうなタイプのスケートはしていないし、本人も引退後はフィギュアスケート界に長く残るつもりはないでしょう。なにより、ものすごく政治家向きですよね。性格的にも、口が達者だという意味でも。いつか参議院選挙に出馬なんて噂が出るんじゃないでしょうか? 実際引退したら政界の各方面からお声がかかると思います。

まさかと思いますが万が一、そういった方向に魅力を感じていたりするのならば、今話題の人のようにここぞとばかりにマスコミと知り合いから手のひら返されないよう、今のうちに言動にはもっと気をつけた方がいいのではないかと思いました。