テレビのインタビューで何の物語もなく一定のリズムの単調な曲を滑ってみたいと真央ちゃんが答えたと聞き、とっさにつぶやいてしまいました。

(本当かどうかは知りませんが)ボサノヴァ史上一番の名曲といわれている思いっきりコテコテの曲が私の頭に浮かんでいました。ブラジル音楽聴く人でもそうじゃない人でも聞いたことがあるのではないでしょうか。来年リオオリンピックの開会式か閉会式で出てくるような曲だと思いますよ。

アントニオ・カルロス・ジョビン作詞作曲の「三月の雨」Águas de março です。直訳だと「三月の水」だそうですがその辺はともかく。

試しにウィキペディアを見てみたらこれでもかこれでもかといろんなカヴァーがあります。ここまでくるととりあえずこれやっとけば間違いないといわんばかりですね。

もちろんポルトガル語がオリジナルなのですが、ジョビン自身英語ヴァージョンの作詞もしていますし、カバーでフランス語ヴァージョンもたくさんありますし、イタリア語のものもあるようです。

一番知られているのはおそらくこのエリス・レジーナとジョビンのデュエットでしょう。私もこれが頭に浮かびます。

その後エリスはもう一度自分だけで歌っているヴァージョンを出しているようです。

なおテレビでの特番で歌ったのでしょうか? スローなアレンジですが、これはCD化されてるのかな?

英語版はもうあほみたいにたくさんカバーがあります。YouTubeにてWaters of Marchで引けばジョビン本人の歌っているものからセルジオ・メンデスやらぞろぞろ出てきます。(すみません、だんだんリンクを張るのが面倒くさくなっている)

フランス語版 Les eaux de mars として最初にカバーしたのはジョルジュ・ムスタキのこのヴァージョンらしく、さらにこの歌詞を使ったカバーものがたくさん出ています。あげくヴァネッサ・パラディがライブで歌っている動画もあります。もうなんでもありですね。ヴァネッサって私とさほど年が変わらないのですが、歌唱力というより相変わらずそのかわいらしさでごりごり押しているところがすごい。

ああ、もちろん、いっとき日本のFMから聞こえてくるボサノバの曲を歌っているのはこの人ばかりだったという小野リサのヴァージョンもあります。日本でもいろんな方々が歌ってらっしゃいます。

この曲の歌詞はいろんな名詞を並べているようなものなので、物語性とかキャラ作りからは無縁でいられるかもしれませんね。ただし、ブラジルの曲なので3月の雨といっても夏の終わりを連想しているものらしく、ある意味文字通りの「時の流れに身を任せ」的な内容にもとれますが。

日本語訳についてはこのサイトを参考にさせていただきました。

歌詞(Águas de março:三月の水) | Saudade with “fino” –Lyrics

それからこの方の3回にわたるコラムも興味深かったです。

Aguas de Marco(3月の雨) : 中原仁のCOTIDIANO(ARTENIA公式Blog)

この曲って下手な人が歌うとただの呪文とか念仏唱えているように聞こえちゃうから難しいみたい。というのも、この曲は同じパターンの音階を繰り返しているような感じだからなのですが、拍の表でとったり裏でとったりするフレージングなのでフィギュアスケートで音をはめて滑れる人はそうはいないと思いました。

この曲に限らずボサノバの場合、リズムをとるのが難しいという意味でおよそ無難とはいえない選曲になるからあまりやる人がいないのでしょうか。ともかくそういう場合はその手の王道を行ってしまったほうがかえって受けはいいかなとも思ったりします。髙橋君がマンボをやったときに王道を行ったように、コテコテのペレス・プラードを使ったようにね。