ロステレコム杯:恒例の日本企業スポンサー

地味に検索ワード「フィギュアスケート スポンサー」と入れてこのブログを見に来てくださっている方がいらっしゃるようです。ありがとうございます。

  • 高須クリニック
  • ヒト・コミュニケーションズ
  • V-プリカ(ライフカードのネット専用Visaプリペイドカード)
  • ライフカード(今回はカタカナ看板)
  • SUBARU

このほか日本企業がキリル文字で看板を出しているかどうかは私にはわかりません。

ロステレコム杯フリーの感想:いつものごとくあまり技術的な話じゃなく印象論で、ざっくりしているんですけど、私はこう思う、ということでよろしくお願いします。

  • ジェイソンのトリスタンとイゾルデ:見れば見るほどこの作り込まれたプログラムは「狂ってる」。何度でも見たくなります。多かれ少なかれ、向こう3年ぐらいでこういうもうすべて音を体全体でひろってなおかつ4回転ジャンプも入れるようなプログラムが主流になっていくんでしょうか。
  • ミーシャのシェルブールの雨傘:内容については中国杯の時に書いたので。若い子の場合、自信を持つって重要ですよね。彼のようにちゃんと曲を理解しているということが演技にフィードバックされているというのは、当たり前のようでなかなかできないこと。
  • ミハルのフィガロの結婚:チャーミングで彼にとっても合っていると思います。いかにもランビエールって感じのポーズが入っている振り付けいいなあ。これは好きなプログラム。
  • 小塚君。ジャンプは残念だけど、泣けて来るぐらい思い切りのよいスケーティングがよかった。最後にあんなにくるくるスピンする男子選手も今時珍しいのかも。このプログラムは会場で見たとしても、ものすごく見応えがあるんでしょうね。今回なにかと織田君が力説しているように、ジャンプは着地失敗しても回りきることが優先らしい。そうですよね、いわれてみれば、回りきって5回転倒するぶんにはPCSはさほど下がらないらしいから、とにかく小塚君はジャンプを回りきれば上昇気流に乗れるんじゃないでしょうか。と思ったら、音楽の解釈とかそういうところで評価が割れているのね。どうして?? ともかくジェイソンといい勝負のつなぎだらけ、しかもどちらかというとスケート靴関係なく体全体の動きで勝負しているように見えるジェイソンとは違って、あくまでスケート靴のエッジの使い方で勝負しているつなぎで、なおかつ4回転ジャンプを決めるのは足にも来るだろうし、大変だと思います。すごいことやってますよね。
  • セビリアの理髪師。ウィルソンって、ちょっとずっこける感じの振り付けをたくさん入れるのが好きなんですか(曲に合っているとは思うし決して悪くないけど、音楽の解釈としてほかの上位選手たちと比べてずば抜けて高く評価される振り付けなのかって気もする)? いや、ナム君の「道」もそうではなかったかなあと。祝ファイナル進出。
  • あ、そういえばマックス・アーロンのフリー、ものすごくものすごく期待していなかったので、意外によかった。
  • 雅ちゃん。あまりにも助走が少ない中でジャンプを飛んでしまうから私の目が狂ってしまっているだけなのかもしれません。つまりですね、流れの中でのジャンプなんだろうけど、そもそもその流れにスピードがない場合(スピードがないように見えてしまう場合)ってどういう評価になるんでしょう? でも全力を出し切ってあの演技はすごくよかった。レ・ミゼラブルの「あの曲」じゃなくて、力強い部分、意思の強さを抽出しているという意味でも、自分の個性に合ったやりかたをしていますよね。他の人にないよさがあるという点ですごくいい選手だと思います。
  • 後輩1か2。今回織田先生はアナウンサーに振られる前に自ら「キム・ヨナ選手みたいな」という「お褒めの言葉」をおっしゃっていました。実際、私も今回のFSのソヨンはなかなかぴりっとしていてこれまでの演技の中ではよかったと思いますよ。織田君そういえば「キム・ヨナ選手のロクサーヌを彷彿とさせる」とか言っていましたよね。つまりですね、先輩のピーク時であったであろう演技を引き合いに出すということは、この先、あっさり先輩を追い越す、いや追い越しているということなんじゃないでしょうか。(……あるいはまさか先輩のように同じ演技の繰り返しになってマンネリ化していってしまうのかということも含めて注目)
  • 前回もそう思わなくもなかったのだけど、アレイン・チャートランドのドクトル・ジバゴはなんなんでしょうか。本郷さんの後、アレインが出てきてFSなんだっけ?と思った瞬間に、ドクトル・ジバゴだったと思い出し、正直演技が始まる前に「これ本郷さん有利だな」って思いました。いや、アレインのがんがん滑っていくスケートが下手だとか技術的なことを言いたいわけではないのです。だって下手じゃないし。私がいいたいのは、なぜドクトル・ジバゴなんでしょうか、ということなんです。どうしたいのかさっぱりわかりません。映画や小説のストーリーに関係なく音だけを尊重するにしても、どうなの?と思ったのです。
  • だってさ、ポゴたんだったら長い手足や衣装を差し引いても一応「火の鳥」を演じてるってわかるし、未来ちゃんなら蝶々夫人を演じているんだなってわかるじゃないですか。本郷さんの演技を見事だと思えるのは、ただジャンプが決まったとかほかの要素がかっこよかったというだけじゃなくて、あれはちゃんとカルメンを演じているってわかるし、実際カルメンらしいからじゃないですか。アシュリー・ケインがエビータやってれば、そもそもルックスがエバ・ペロンににているし、エビータのしたたかな感じが彼女の個性とスケートに合っていて、ともかくエビータだってわかるじゃないですか。じゃあ、アレインはドクトル・ジバゴの何を表現したいのかなあってことなんですよ。いや、曲の音そのものに滑りをはめてるっていうならそれはそれでいいですけど、とりたててそういう風にも見えないでしょ? 強いていうなら、ドクトル・ジバゴに出てくる「ソリ」を表しているのでしょうか? それはないと思うし…。

というわけでドクトル・ジバゴですよ、ドクトル・ジバゴ。アナウンサーも「日本でもおなじみの1965年の映画」っておっしゃるあれですよ。あらすじだけ考えるとメロドラマっていえばそうかもしれないけど、観たことのある人ならわかるように、すごく余韻をひきずる映画です。だってさあ、小説は読んでいないのでわかりませんけど、あの映画って、時代の波に乗っていけない無力な主人公が2人の対照的な女性を同時に愛しちゃうんですけど、どっちに対しても大まじめ、みたいな悲恋物語でしたよね。

その記憶を確かめるべくわかりやすい動画ないかしらって思いまして探していたら、なんとドクトル・ジバゴのメイキング番組らしきものがありました。トータルで1時間ちょっとの番組なんですけど、これがめちゃくちゃ面白くて、全部観てしまいました。事実は小説よりも奇なり……地味にやばいエピソード盛り込まれてますし。そのせいでまだエキシ観てないんです。

1960年代に著者の本国ソ連では発禁になっている、ロシア革命前後を舞台にした大河ドラマを、アラビアのロレンスの砂漠のロケで好評を博した英国人監督が、ソ連に入国せずに映画をつくるとしたらどうなるのかって話です。CG使えない時代ですからね。
俳優たちの証言のみならず、パステルナークの話、あの大河ドラマのどの部分を抽出するかという脚本、どこだったらロシアに見えるの?というロケ地の選択、モーリス・ベジャールジャール(追記:ベジャールじゃない、ベジャールはバレエの人だった。曲作る方はジャールだった)のラーラのテーマの作曲についての話、ものすごく衣装に凝ったのに髪型は?など、いずれについてのエピソードもとても面白いです。自分は映画好きだという自覚が少しでもある人ならば楽しめると思いますよ。そして映画観ていなくても原作を知らなくてもわかるように作られているので大丈夫。

ドクトル・ジバゴ撮影秘話(1/2/3/4/5

でも映画公開から30年というこのメイキング番組でさえ、今からもう20年ぐらい前の話なのよね……。アレインちゃんが生まれる前じゃないですか。やれやれですな。この映画のDVD買おうかな。

とにかく、なんとなく耳慣れた曲だと人の心を引きつけやすいという理由で曲を選ぶのはどうかと思います。いみじくも織田君とアナウンサーが話していましたよね、リギーニのFSのときに。こうやって誰もが知っているベタな曲を選ぶ場合の時の話。そういう曲を選ぶならなおさら、観ている人たちと一体になる、観ている人たちの心をぐっと引き寄せるような説得力が必要なので、実は簡単じゃないんですよ。この辺のところは是非明子さんにレクチャーしていただきたいです。