本質的には、羽生君本人が「ファイナルに出たいから棄権はしたくなかった」だけの話なんですよね。

あの状況で周りは棄権もやむなしと思っていたでしょう。でも本人が出る、出てくれるならば、周りのいろいろな思惑……一言で言えば「欲」が働くでしょうね。

前シーズンの成績(グランプリファイナル・オリンピック・世界選手権全部優勝)がまぐれじゃないと証明してみせる、というのが彼の今シーズンのモチベーションだと聞いています。だもの、大会初戦にしてすでにそれが成り立たなくなるのが耐えられなかった。

つまり「自分の強さを周りに認めてもらえない」ことに対して彼は臆病だったんですよ。そうした弱さがあることは決して悪いことではないです。一流の競技者たる者、誰だってそういった恐怖はあるでしょう。一般的に考えたとしても、誰でも心の弱さはあります。

ただ、私にはこのことが美談には思えませんでした。

中国杯についてはまた後日。